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「薯童謠(ソドンヨ)」(全55話)第38話 王の絶望 のあらすじとネタバレ感想

「薯童謠(ソドンヨ)」(全55話)第38話 王の絶望 のあらすじとネタバレ感想

38話 王の絶望 あらすじ

阿佐太子を殺した犯人は黒幕がこの立ち合いの中にいると言いました。
ワングは太学舎男性にひとりずつ前に出るよう命じました。
チャンは前に出ましたが男は首を横に振りました。
ワングはプヨソンにも前に出るように言いました。サテッキルが前に出ました。男はサテッキルに対しても首を横に振りました。
「この中に黒幕はおらぬのだな」
威徳王が男に尋問すると男はそうだと答えました。
「暗殺を命じたのは私の四男だと申したな。そうだな。」
威徳王は、男に問いました。
「そうです。」
「ここにはその四男が来ておる。前に出ろ。四男は前に出ろ。」
チャンは前に出ようとしたら王子の訃報の知らせがありました。
「王様ーーー!プヨド王子様が亡くなられました。」
威徳王はプヨド王子のもとに行きました。
「王子はここにいるのか。いるのだ。」
プヨソンは第四王子がいることを確信しました。

モンナスはどういうことだとチャンに聞きました。チャンは第四王子が犯人でないことは明らかになったといいました。モンナス博士はチャンの身の危険を心配しました。

フクチピョンはもう四男王子を犯人に出来ないので挙兵するしかないのではといいました。プヨソンはあの大勢の中に必ず王子がいると言いました。

「私の息子に伝えろ。私の息子であることも王族であることも忘れろと。守ってやる力も守ってやる意欲も残っていないと伝えてくれ。罪悪感も哀れみの情もないと。隠してきたことが、公にしなかったことが、私があの子を守る唯一の術だった。むしろ、よかったと伝えろ。ただ・・・このまま、平穏に、自由に暮らせと伝えろ。」
威徳王はチャンに第四王子に伝言を頼みました。
「陛下、そうなさるしかないのですか。引き下がるのですか。太子殿下に譲位をなさろうとした理由は百済再興のためでは?務めを忘れ貴族と結託した衛士佐平から百済を取り戻すためではないのですか?陛下のお心を汲んだからこそ太子様は不孝と知りながら譲位を受ける、どんな状況も進むと。なのに陛下は太子様のお心を踏みにじるのですか。陛下。陛下のせいです。なにもかも陛下のせいです。陛下の力や志がその程度だったからです。太子様の死も王子様たちの悲惨な死も、第四王子様が殺人犯にされたのも、陛下のせいなのです。太子様は違いました。陛下はもちろん亡くなった第三王子様や会えば陛下も喜ぶといった第四王子の安全も、お守りになると。すべては陛下がなさるべきことでした。陛下が守るべきでした。陛下が亡くなるその日まで支えるべきだったのです。そうすれば王子様も亡くならず第四王子様も殺人犯にされませんでした。私ですら復讐心がわきあがり心臓が破裂しそうなのになぜ陛下はあきらめようとなさるのですか。第四王子様にそのまま伝えます。実の親の陛下がお捨てになったと。私も陛下をお恨み申します。」
チャンは涙を流して思いのたけを威徳王に伝えました。
「ネイノーン!誰に向かってそんな無礼を申すのだ!」
ワングが部屋に入ってチャンに剣を突き付けました。
「陛下、私を殺してください。いっそ死んだほうがマシです。殺してください。」
チャンは死んだほうがマシだと言いました。
「剣を収めろ。」
威徳王は力なく言いました。ワングもうなだれました。
部屋から出てきたチャンは地面に突っ伏して泣きました。モンナス博士はその様子を見守っていました。威徳王も泣いていました。
「陛下、お気をおさめください。無理を重ねていらっしゃいます。」
ワングは王をなぐさめました。
チャンは威徳王のいる部屋に向かって拝礼しました。
モンナスは誇らしげにチャンを見つめました。

チャンは荷造りをしました。
「もうここにはいられません。何もかもやめます。名もない漁師として生きていきます。ここにいるより自信をもって生きます。」
モンナス博士はチャンに言いました。
「何をやめるのだ。王子であることか?太子様の忠臣か?太学舎の技術者か?いったい何をやめるのだ。」
「すべてです。」
チャンは部屋を出ていきました。モンナス博士はて手紙をチン大人に渡すようにポムノに命じました。

ポムノはソンファ公主に手紙を渡しました。ソンファ公主はチャンを探しました。

チャンは阿佐太子の墓の前で座っていました。
「太子様・・・私は太子様の遺言には従えません。能力がなくても挑戦するつもりでした。力がなくても頑張るつもりでした。力尽きて死んでも構わないつもりでした。それが太子様の兄上の志でしたから。母を殺し兄上を殺した者が太子様の百済を辱めるのが見過ごせませんでした。でも挫折しました。陛下はあきらめろと忘れろとおっしゃった。陛下をお恨み申します。恨み、恨み、また恨みます。太子様の恨みを晴らさない陛下を、私を太子様暗殺の犯人にした陛下を、お恨みします。お許しください。お許しを、太子様。」
チャンは雪の降る中、涙を流しました。そこにソンファ公主が現れました。ソンファ公主はチャンが泣いている様子を見て目に涙を流しました。
「終わりました。これで二人で去れます。」
チャンは足をくじいたというソンファ公主を抱きかかえました。
「大丈夫です。」
「私が気になります。」
チャンとソンファ公主は見つめあいながら帰りました。

威徳王は王族と重臣を集め、太子を殺したチャンドゥは衛士部で処理するように命じました。
「私は王の座から退き仏門に入る。そのつもりで準備しろ。」
プヨソンとウヨンに機会が訪れました。

「もうこれ以上わが子の死を見たくない。父親の情も知らぬあの子をまた私の子だという理由で死なせたくない。それが最後の望みだ。」
阿佐太子の妻の父、チルリョは思いとどまるように言いました。
威徳王はモンナス博士を呼びました。

天の峠学者の仲間たちはまた追われる身になるのではと心配しました。モンナス博士は軽率な真似をしないようにモジンとメクトスたちに言いました。

プヨゲは王になるだろうとプヨソンたちがお祝いを言いました。
「葬儀が終わったら譲位させよう」
プヨソンは早くも譲位について話しました。重臣たちはプヨゲに続々とお祝いを申し出ました。

傷心のチャンはぐっすりと眠っていました。ヨン・ギョンフ(大将)はソンファ公主に陛下が仏門に入りプヨゲのところに貢物が集まっていると言いました。

キム・サフムはプヨソンに貢物をたくさん送りました。
プヨソンは宴を開きました。ウヨンは主役は父上ですね、父上に祝杯をあげましょうとプヨソンを牽制しました。
「ウヨンとキル博士はお似合いだ。」
プヨソンは適当なことを言いました。プヨソンはウヨンに太学舎をやめて王女としての仕事をするように言いました。プヨソンは明日サテッキルを太学舎の首長に任命してやろうと言いました。フクチピョンとウヨンは面白くないようでした。

「どういうことだ?サテッキルが太学舎の首長になれない?」
プヨソンはフクチピョンの知らせにいぶかりました。

「私が反対票を入れました。太学舎は本来の任務をまっとうすべきです。物づくりで国と民を豊かにしなければ。太子様も私と同じ考えでした。キル博士は不適任です。私の気持ちを汲んでください。」
ウヨンはモンナス博士に頼みました。

ウヨンの反対はプヨソンの知るところとなりました。ウヨンは堂々と私が反対しましたとプヨソンに言い、サテッキルが貴族ではないので太学舎の首長にも結婚相手にもふさわしくないと言いました。

「珍しく良心が痛んだのだろう。」
ポムノはウヨンの決断に楽観的でした。ウヨンはチャンがいたら部屋に来るようにとポムノとウンジンとメクトスに命じました。

チャンはヨン・ギョンフ(大将)のところにいました。チャンは太学舎には残れませんと言いました。ポムノとウンジンが店まで来て逃げるときは一緒に行こうと言い、モンナス博士が太学舎に残ることに反対しました。チャンは太学舎に戻ったらモンナス博士はいませんでした。ウヨンはチャンを呼び止めました。

「聞きたいことがあるの。お前は死は恐ろしくないの?なぜそこまで尊大なの?兄上にも私にも、本当に死は怖くないの?なぜ生意気にふるまうの?」
ウヨンはチャンに聞きました。
「死より屈服することのほうが怖いのです。」
ウヨンはチャンの復讐心を利用しようとしました。
「お前を屈服させようという考えは捨てたわ。兄への復讐心を私が晴らしてあげる。太子様の件に関する怒りを私を通して解いて。太子様への忠誠心はうらやましいけど、そこまでは望まない。理由のひとつがモンナス博士の能力と熱意が太学舎に必要だからよ。二つ目は父に飾り物の王になってほしくないから。兄に対抗する人間が必要なの。一人は私、もう一人はお前よ。そして三つめは・・・とにかく博士を説得し・・・」
ウヨンは断れば兄がチャンとモンナス博士を処理すると脅しました。
「不本意かもしれませんが、衛士佐平とあなたは同じです。ですから私の答えは同じです。何があろうと味方にはなりません。」
チャンはウヨンの誘いを断りました。
「ゆっくり考えなさい。私は利害を補い合いたいといってるの。よく考えなさい。三つ目の理由は・・・お前のいない太学舎は退屈だからよ。」
チャンはどん底ですね。王子という身分とソンファ公主(クンジュ)という救いがあってもウヨンとプヨソンの命を懸けた権力闘争に巻き込まれてまたもや大ピンチです。まさに生きるのも命がけ。いい子ぶってたウヨンの本音はおそろしいものでした。もしかしてウヨンちゃんは女の勘というものでチャンの正体に気が付いているのでしょうか。それともチャンに好意があるのでしょうか。続きが楽しみです。

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